循環型漁業を目指す「漁網to漁網リサイクル」への ポリエステル漁網の活用による取り組み拡大について
循環型漁業を目指す「漁網to漁網リサイクル」へのポリエステル漁網の活用による取り組み拡大について
東レ株式会社
日東製網株式会社
舘浦漁業協同組合
東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大矢 光雄 以下、東レ)、日東製網株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:小林 宏明 以下、日東製網)、及び舘浦漁業協同組合(所在:長崎県平戸市 代表組合理事:鴨川 周二 以下、舘浦漁協)は、循環型社会の実現と海洋プラスチック問題の解決を目指す「漁網to漁網 ポリエステルリサイクル」を共創・協働で取り組んでまいります。
今回、漁網製造時に発生する工程くずを原料の一部に使用したポリエステル原糸を東レが開発、その原糸を用いて日東製網が漁網を製造し、舘浦漁協が経営する大型定置網漁業にて試験的に導入し、「漁網to漁網 ポリエステルリサイクル」により循環型社会の実現をめざします。
1.経緯
海洋プラスチック問題は世界中で社会問題化し、漁業で使用されている網やロープ等も漁具も環境配慮型素材・製品へ切り替える検討が進められています。同じく漁網で使用されているナイロンはリサイクルの取り組みが進んでおり、漁業への導入が始まっております。今回、ポリエステルでの取り組みとして、漁網製造時に発生する工程くずを再資源化して原料の一部に有効利用した「漁網to漁網 ポリエステルリサイクル」でつくる漁網を大型定置網漁業に試験的に導入致します。
従来、漁網製造時の工程くずは産業廃棄物として処理されてきましたが、日東製網では糸くずおよび網くずを材質ごとに分別し、事業場から排出される産業廃棄物をリサイクルする取り組みを拡大してきました。
今回、工程くずを東レの独自技術によってリサイクルしたポリエステル樹脂を原料の一部に使用しながらも、バージン材料100%と遜色ない物性の漁網用原糸をつくることができました。この原糸を用いることにより、従来の漁網と同等の品質を実現した「漁網to漁網 ポリエステルリサイクル」に成功、この革新的な漁網は舘浦漁協が経営する大型定置網漁業に試験導入されることとなりました。
2.今後
(1)「漁網to漁網 ポリエステルリサイクル」でつくる革新的な漁網の市場適合性や妥当性確認は、試験操業の結果を検証し、適宜適用範囲を見直し、2026年2月からの社会実装化(販売開始)を予定しております。また、漁網の使用(範囲および割合)拡大に向けた実用化検討を継続してまいります。
(2) 試験操業結果のフィードバックをもとに、「漁網to漁網 ポリエステルリサイクル」の社会実装化
への足掛かりといたします。東レ・日東製網では、工程くずなどのプレコンシューマ材料から、使用
済み製品などのポストコンシューマ材料を原料とする革新的な原糸と漁網の開発・製造をめざし、今
度も共創・協業してまいります。将来的には新たな技術革新や先端材料で「漁網to漁網 ポリエス
テルリサイクル」によりさらなる循環型社会の実現に努めてまいります。
●舘浦漁業協同組合による試験操業の概要
【 漁業方法 】大型定置網漁業
【 実施日程 】25年8月
【 使用漁具 】「漁網to漁網」でつくる革新的な漁網(日東製網で製造)
【操業エリア】舘浦漁港近辺
<東レのコメント>
東レグループでは、“東レグループ サステナビリティ・ビジョン”を通じて、『資源が持続可能な形で管理される世界』の実現を目指しています。本取り組みは、海洋プラスチック問題の解決や環境負荷低減を目的に、漁網製造時に発生する工程くずを循環資源として活用しています。今後も持続可能な循環型社会や未来の海洋環境のために、革新的な技術で向き合い、挑戦を続け、新たな価値を創造し続けていきます。
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<日東製網のコメント>
本取り組みは、廃棄物ゼロエミッション(リデュース)の推進に加え、CO₂排出量の削減にも貢献するものであり、漁網製造工程において発生するプレコンシューマ材料(工程端材)を循環資源として有効活用することで、持続可能な循環型社会の実現を目指すものです。従来はナイロン素材を中心に再資源化を行ってまいりましたが、このたび新たにポリエステル素材にも対象を拡大し、より多様な製品への展開が可能となりました。
本リサイクル漁網は、定置網にて実際にご使用いただいており、現場での有効性・実用性についても確認が進んでおります。漁網として使用される前のプレコンシューマ材料にとどまらず、漁業現場で使用された後のポストコンシューマ材料(使用済み製品など)まで対象を拡大し、「漁網to漁網」のリサイクル社会システムの構築を目指して、引き続き取り組みを推進してまいります。当社は、カーボンニュートラル社会の実現と、深刻化する海洋プラスチック問題の解決に向けて、今後も漁業現場との連携を強化しながら、環境負荷の低減と資源循環の促進に取り組んでまいります。
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<舘浦漁業協同組合のコメント>
雨が降ったあとに海に出ると、ペットボトルやレジ袋、包装容器等が無数に漂っており、海は河川によって市街地と繋がっていることを実感します。近年、プラスチックのリサイクルや資源循環が進んでいますが、漁業用資材は塩分が付いて付着物も多く、特にポリエステル漁網は技術的にリサイクルが難しく、全て産業廃棄物として処分されていました。今回、東レと日東製網の連携で「漁網to漁網」の水平リサイクルによる漁網が完成し、舘浦漁協の定置網に導入出来たことは大変喜ばしく、日本中に広がることを願っています。漁業は豊かな海の恵みで成り立つ職業です。末永く漁業を営み美味しい魚を届けるために、環境に配慮した漁法を積極的に取り入れたいと思います。
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以 上

リサイクル漁網を使用する予定の舘浦漁業協同組合の大型定置網
持続可能な漁業を目指して
ポリエステル(PET)製漁網リサイクル
漁網リサイクルフローチャート
漁網リサイクル全体の流れです。
舘浦漁協では、使い終わった漁網を回収し、洗浄して再び活用する「漁網リサイクル」に取り組んでいます。
繊維メーカーがつくる糸をもとに製網会社が網を製造・販売し、漁業で使用された後、回収した漁網をペレット化。その後、多くの企業や団体がそれぞれの強みを活かし、さまざまなリサイクル製品へと生まれ変わらせています。
さらに、廃漁網から再び漁網を製造する「水平リサイクル」にも挑戦しており、持続可能な漁業と環境保全の両立を目指しています。
漁網リサイクルは、一社だけでは実現できない大きな取り組みです。多くの企業・団体が連携し、資源を循環させることで、未来につながる豊かな海を守っています。







